Share

第1章 80 提案

last update Terakhir Diperbarui: 2025-09-09 21:43:48

 午後1時――

全員が目覚め、軽く非常食を食べ終えるとついに出発する準備が始められた。

「う~ん。馬車の中で休息は取っているのに、何故また眠ってしまったのかしら……?」

まだ少し眠そうな様子のリーシャが寝袋を畳みながら不思議そうに首をひねっていた。

「そうですよね? 僕もそう思います。何故か急激に強い眠気に襲われて、気づけば眠りに就いていて、挙句に出発時間になっているのですから」

トマスも寝袋を畳みながらリーシャ同様に首をひねっている。

「きっと2人とも、疲れが取れていなかったからじゃないかしら?」

「クラウディア様はちゃんとお休みになられましたか?」

リーシャが尋ねてきた。

「ええ、休んだわ」

「それは良かったです。ここのところ、ずっとお疲れのようで心配だったのですよ」

リーシャが笑みを浮かべた時、スヴェンがこちらにやってきた。

「姫さん、『エデル』の連中が打ち合わせを始めるみたいだ。皆でユダが監禁されている家に向かったようだぞ」

言われて見れば、確かに『エデル』の使者たちの姿が見えなかった。

「一体ユダさんはどうなるのでしょうか……」

ユダを信用しているトマスは心配そうだった。

「そうですよね……まさか、ここに置いていくなんて言い出すつもりではないでしょうか?」

リーシャが不安気にしている。

「まさか……絶対にそんなことはさせないわ。その為にも今からスヴェンと説得に行ってくるわ。2人はここで待っていてくれる?」

「はい、分かりました。ですが……うまくいくでしょうか?」

「大丈夫よ、トマス。何とか説得してみるわ」

「クラウディア様。私もご一緒しましょうか?」

「平気よ、リーシャはいつでも出発出来る様に準備をしておいてくれる?」

リーシャに返事をすると、次はスヴェンに声をかけた。

「それじゃ行きましょう、スヴェン」

「ああ。行こう」

私とスヴェンはユダが監禁されている家へと向かった。

****

「クラウディア様……またこちらへいらしたのですか?」

家の前にやってくると、扉の前に立っていた見張りの兵士がうんざりした顔で私を見た。

「おいおい、そんな言い方は無いだろう? 仮にも姫さんはあんたの国の国王に嫁ぐお方なんだろう?」

「う……」

どうもその言葉を出されると彼らは弱いらしい。

「わ、分かりました。では……どうぞお入り下さい」

兵士は渋々扉を開けてくれた。

ガチャ
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 66 意味深な言葉

     そんな噂が流れていたなんて……。「お2人とも、貴重なお話を教えていただき、どうもありがとうございます」にっこり笑って感謝の言葉を述べると、宰相もカチュアも意外そうな表情で私を見た。「い、いえ。礼には及びませんよ」「そうですね。お役に立てて嬉しいです」ひきつった笑いを浮かべる宰相とカチュア。「それでもうお身体の方はよろしいのですか?」カチュアが尋ねてきた。「ええ、そうですね。本日目が覚めたばかりですので、まだ本調子ではありませんが明日にでも城の中を歩けそうです。城の人達に私が健全な姿を見せておかなければなりませんからね」私の頭がおかしいだとか、精神を病んでいる等と噂を立てられればこの先私の立場が悪くなるのは目に見えていた。今回はもう処刑されるわけにはいかない。少しでも自分に不利な状況は取り除いておかなければ。「さようでございますか。クラウディア様の健全な姿を城の者達が見れば皆、安心するでしょうな。では我々はこの辺で退散することにしましょう。あまりクラウディア様を疲れさせるわけにもいきませんからな。明日からはまた元の生活に戻られるのですから」「そうですね。リシュリー様。それに今はあの問題が起きているせいで陛下も大変忙しい時ですから。私達が気を配らなければなりませんしね」 カチュアは意味深な話をするも、私はあえて尋ねないことにした。彼女が私に自分の話を引き出させようとしているのが目に見えて分かったからだ。「……」 私は黙って紅茶を飲んで聞き流すことにした。すると案の定、カチュアはチラチラとこちらを気にしている。「さ、さて。それではそろそろ行くとしよう」「そうですね。リシュリー様」宰相とカチュアが立ち上がったので、私も2人を見送る為に席を立った。「リシュリー宰相、カチュアさん。お忙しい中、お見舞いに来て下さってありがとうございます」「いえ、それでは失礼いたします」「お元気になられて良かったです」宰相とカチュアは交互に挨拶をすると部屋を出て行った。――パタン  2人が出て行き、扉が閉ざされるとため息が漏れてしまった。「ふぅ……疲れたわ……」今回は回帰前に比べて、宰相もカチュアも私に絡んでくる回数が多いように感じる。けれど、それは私とアルベルトの関係が今のところ悪くないせいだろう。「けれど、私に関する悪い噂はまずいわ

  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 65 噂の内容

    「陛下に部屋の交換は断られてしまいましたが、やっぱりいつ見ても素敵な部屋ですね」私が2人の向かい側のソファに座ると、早速カチュアが何処か皮肉を込めながら宰相に話しかけてきた。「まぁ陛下が反対したのだから仕方あるまい。しかし、神殿に立派な部屋を用意して貰えたでは無いか?『聖なる巫女』専用の』「はい、そうですね。神官の方たちに良くして貰えて、本当に感謝しかありません」「ああ、全くだ。特にこの間の宴は素晴らしかった。料理も、振舞われた酒も全て一級品だったしな」  リシュリー宰相とカチュアはわざと神殿の話を持ち出して、私の存在を無視するかのように2人だけで盛り上がっている。私は黙ってその様子を見つめていた。私に対する嫌がらせだということは分かっていたからだ。 そこへノックの音が部屋に響きわたり、「失礼します」と言ってマヌエラがワゴンに3人分のお茶を運んできてくれた。「お茶をお持ちいたしました」マヌエラはワゴンを押しながら部屋に入り……宰相とカチュアが2人だけで話をしている姿を見て、眉をしかめた。「ありがとう、マヌエラ」「いいえ」声をかけるとマヌエラは返事をしたものの、明らかにその目には不満が宿っている。「テーブルの上に置いたら、下がっていいわよ」「はい……」マヌエラは私たち前に紅茶を置き、「失礼いたしました」と言って退室した。「……」黙って紅茶に手を伸ばすと、わざとらしく宰相が声をかける。「おや、これは失礼。つい、『聖なる巫女』と話が盛り上がってしまいましたな」「いえ、どうぞお気になさらずに。それで、リシュリー宰相。先程お話されていた私に関する悪い噂とは一体どのようなお話なのでしょうか?」紅茶を一口飲むと、宰相に尋ねた。「ええ、よろしいでしょう。実は今城中でクラウディア様に関しての悪い噂が流れてしまっているのですよ」「そうですか。城中に……ですか?」 私の身体に緊張が走る。回帰前も私に関する悪い話が城中どころか、国民達の間に広がった。その結果、『国を亡ぼす悪妻』と称されて処刑されてしまった。けれどもそれらは全て身に覚えがあり、誇張されてしまったのが原因だった。 しかし、今現在私は自分に関する悪い噂が流れていると言われても、全く心当たりはない。何しろ私はまだこの国に到着したばかりで、さらに5日間もベッドに伏していたのだから

  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 64 迷惑な訪問者

     その後、謹慎処分が解かれたリーシャは仕事があるからと言って部屋を出て行った。再び一人になった私はベッドに横たわると、指輪を見つめた。「知らなかったわ……。賢者の石を白くする方法があったなんて……」一体、アルベルトは何処まで賢者の石の秘密を知っているのだろう? それとも彼も私と同様、錬金術師だったのだろうか?「もう……訳が分からないことだらけだわ……」その時、扉の外で何やら騒がしい声が聞こえてきた。『いいえ、なりません。クラウディア様は目が覚めたばかりなのですよ!』マヌエラの声だ。『何を生意気な……! 一介の侍女のくせに、宰相である私の命令が聞けないのか!』『この城で国王陛下の次に権力のある方はクラウディア様です』『まだ妃になってはいないだろう!』言い争いは増々激しくなってくる。これ以上、マヌエラが逆らえば……後で彼女は酷い目に遭うかもしれない。そこでベッドサイドに置いたガウンを羽織ると扉を開けに向かった。扉を開けると、マヌエラと怒りで顔を赤くした宰相。そしてカチュアがいた。まさか……彼女迄連れていたとは思わなかった。「あ! クラウディア様! 動いて大丈夫なのですか!?」マヌエラが驚いた様に声をかけてきた。「ええ、大丈夫よ。ところで何をそんなに騒いでいるのかしら?」すると宰相が答えた。「クラウディア様の目が覚めたという知らせを聞いて早速面会に参りました」「はい、そうです」カチュアは笑みを浮かべて私を見つめている。「分かりました。どうぞお入り下さい」扉を大きく開け放つと、マヌエラが驚きの表情を浮かべた。「クラウディア様、よろしいのですか? まだ体調も回復していらっしゃらないのではありませんか?」「いいえ、大丈夫よ」返事をすると宰相が意味深な台詞を吐いた。「ええ、そうですよ。いつまでもお部屋に閉じこもりきりですと、更に悪い噂が流れるとも限りませんからな。早めにお姿を見せるのが良いでしょう」「え? それはどういう意味なの?」「リシュリー宰相! 口を慎んでください!」するとマヌエラが声を荒げた。ひょっとして何か彼女は知っているのだろうか?「マヌエラ、何か私に関して良くない噂でも流れているの?」「え? あ、あの……それは……」しかし、私の質問に何故かマヌエラは言葉を濁す。すると宰相が声をかけてきた。「その話で

  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 63 今更言われても

     扉が閉ざされ、1人になった。 回帰前とは大違いの彼の態度にどう接すればいいのか、もう私には分からなくなっていた。 前々回の生でクラウディアとして生きていた頃はアルベルトから婚約指輪どころか結婚指輪すらはめてもらったことはない。 それを婚約指輪だなんて……。 左手の薬指をじっと見つめた。アルベルトにこの指輪をはめて貰った時、私は日本人だった頃の……自分の結婚式を思い出してしまった。彼は真剣な眼差しで、私に結婚指輪をはめてくれた。「あなた……」 会いたい。子供たちに、そしてあの人に。この世界は私にとって安心出来る居場所が無い。常に周囲を警戒しなければ生きてはいけない。 橋本恵として、生きていた頃は平凡だけど幸せに暮らせていたのに。  ふと、先ほどのアルベルトの言葉が耳に蘇ってくる。『この国や、城の者達を信用できない気持ちは分かるが……せめて俺のことは信用してもらえないか?』 だけど、やはり今の私にはまだアルベルトを信用することが出来ない。何しろ私は彼の手によって処刑されてしまったのだから。彼にとっては初めての世界であり、私を処刑した記憶など残っていない。けれども私にとっては2度目の世界。 あれだけの仕打ちをされて、信用なんて出来るはずも無かった。 それにカチュア。 彼女は『聖なる巫女』と呼ばれるだけのことはあり、人の心を掴むのがうまかった。私が完全に孤立し、皆から忌み嫌われたのもカチュアの差し金だったのかもしない。 と言う事は、今は私の味方に思われるようなアルベルトもいつ何時態度が豹変するのか分かったものでは無いのだから。「やっぱり、アルベルトに心を許すわけにはいかないわ……」 その時――扉がノックされ、声をかけられた。『クラウディア様、起きていらっしゃいますか?』その声は侍女のマヌエラだった。「ええ、いいわよ」すぐに扉が開かれ、マヌエラが室内に入って来た。そして背後には……。「ク、クラウディア様……」今にも泣きそうなリーシャが立っていた。「陛下から彼女をクラウディア様の元に連れてくるように言われて参りました」「ありがとう、マヌエラ。リーシャを連れて来てくれて」思わず笑みを浮かべてマヌエラにお礼を述べた。「い、いえ。私は陛下の言いつけ通りにしただけですので……。それでは一度下がらせていただきます」「ええ

  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 62 指輪 

    「とにかく、今はまだ休んでいろ。何しろ5日間も意識が無かったのだから急に起き上がったりしないほうがいいだろう。それでは俺はもう行くよ。仕事が残っているからな」「あの、陛下」アルベルトが立ち去ろうとしたので、声をかけた。「どうした?」「リーシャはどうしたのでしょう? 目が覚めた時、側にいなかったのですが」「リーシャか……」「はい。あの子は私が国から連れて来た大切なメイドです。何故今ここにいないのですか?」側にいたメイドがリーシャではなく、エバだというのが気になった。「あのメイドは今謹慎処分を受けている」「謹慎処分……? 何故ですか?」「そうか……やはり覚えていないか」アルベルトがためいきをついた。「一体何のことでしょうか?」「いや、リーシャはお前を貶めるように何者かによって催眠暗示をかけられていたのだ」「リーシャが……ですか?」まさか、また身体をのっとられてしまったのだろうか?「そうだ。その顔……何か心当たりがありそうだな?」「いえ、心当たりは特にありません」余計なことは話さないでおこう。「リーシャが証言した。お前にネックレスを外すように提案したのは彼女だそうだな」突然アルベルトの口調が変わった。何故か怒っているように感じる。「はい、そうです。ですが……」しかし、アルベルトは私の言葉を遮った。「何故外したんだ? 肌身離さずつけておくように言っただろう?」「はい、申し訳ございません」 アルベルトはかなり苛立っている。彼の機嫌を損ねるわけにはいかなかったので、素直に謝ることにした。「クラウディア……。この際だから本当のことを言おう。お前は敗戦国の姫だ。この国に一方的に戦争を仕掛けた『レノスト』国の生き残りの王族だ。お前に戦争責任は一切無いが、それでもよく思わない人物が大勢いる。自分だってその事には気付いているのだろう?」「はい……そうです」「この国や、城の者達を信用できない気持ちは分かるが……せめて俺のことは信用してもらえないか?」不意にアルベルトの声の調子が変わった。「え?」驚いてアルベルトを見ると、少し悲し気な顔で私を見ている。「陛下……?」「お前はリーシャから夜寝るときにネックレスは外した方が良いと言われたのだろう?」「何故それを……?」「彼女がそう、証言した。何者によって催眠暗示を掛けられたの

  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 61 あの人に似た彼

     ユダはまさかアルベルトがやって来るとは思わなかったのか、慌てた様子で壁際に下がると片膝をついて深々と頭を下げた。  アルベルトはユダの方を一瞬見ると、すぐに向き直り、こちらへ向かって近づいて来た。そこで私は謝罪の言葉を述べた。「陛下。ご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ございませんでした」そして頭を下げた。すると何故かアルベルトがため息をついた。「……全く……詫びなどいらない。クラウディア。顔を上げろ」「はい」言われて顔を上げると、アルベルトは更に私のすぐ傍までやってきた。「それにしても良かった。やっと目を覚ましてくれたんだな? 侍女から話を聞いて慌てて会いにやって来たのだが……」そして再びユダに目を向けた。「まさか、俺の前に先客がいたとはな」その言葉に俯いていたユダがビクリとする。「陛下、ユダは……」何故かユダに対する敵意を感じられたので、アルベルトに声をかけるも途中で遮られてしまった。「おい、そこの兵士」「は、はい!」そのままの姿勢でユダが返事をする。「いつまでそこにいる? その恰好……訓練の最中で抜け出してきたのだろう?」「そ、そうです……」「ならさっさと戻れ。騎士を目指しているのだろう?」「はい! 失礼いたします!」ユダは立ち上がり、敬礼すると足早に部屋を出て行った。立ち去って行くユダの姿を何故かアルベルトは凝視している。バタン……扉が閉ざされ、部屋の中に私とアルベルトの2人きりになると彼は私の方を向き直った。「クラウディア」「はい」「一体これはどういうことだ?」「え? どういうこと……とは?」アルベルトの言葉の意味が分からない。「何故、俺よりも先にあいつがこの部屋に来ていたんだ? 真っ先に会うべき存在は奴ではなく、俺だろう?」何故かその声には苛立ちが含まれている。然も話し方もどこかぞんざいだ。「え? それは私が目覚めた時に、既に部屋の前にユダが会いに来ていたからです」「ユダ……か。全く、あいつはいつもいつも……」アルベルトが小声で小さく呟いた。その物言いが引っかかる。何故だろう? その口ぶりはまるでアルベルトがユダのことを知っているようにも聞こえてしまう。「あの、アルベルト様」「何だ?」「ひょっとしてユダのことを御存知なのですか?」「え!? 何故そう思うんだ?」妙にアルベルト

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status